LDACでも有線には勝てない? Bluetooth DACを実機比較して感じた差
最近はBluetooth対応のDAC/AMPがかなり増えてきました。
それなら「有線イヤホンやヘッドホンを使うなら、有線接続でよくないか?」
と思っていましたし、
そもそもBluetoothを使うなら、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の方が手軽でわざわざBluetooth対応DACを使う意味が分からなかったんですよね。同じように思っている人も多いはず。
ですが実際に使ってみると、印象はかなり変わりました。
当然ですが音質だけで比べれば、有線接続の方が有利です。
特に低音の締まりや音の立体感は、有線の方が一段上だと感じます。
ただ、外出中や移動中に使うなら、Bluetooth接続の快適さは想像以上でした。
しかも、Bluetooth DAC+有線イヤホン/ヘッドホンの組み合わせは、一般的な完全ワイヤレスイヤホンより明らかに音が良いと感じます。
この記事では、実際にBluetooth接続と有線接続を比較して感じた違いや、
「Bluetooth DACは本当に音が悪いのか?」
について、実体験ベースでまとめていきます。
今回比較した環境
今回はBluetooth DACとしてAK HB1を使用し、
Bluetooth接続とUSB有線接続で音の違いを比較しました。

イヤホンにはSee audio Bravery24を使用しています。

総額10万円ほどなので検証スペックとしては十分でしょう。
比較は同じ楽曲・同じ音量帯で行い、
できるだけ条件を揃えた状態でチェックしました。
また、Bluetooth接続時はLDACを使用しています。
Bluetooth DACの音が悪いと言われる理由
Bluetooth接続は便利ですが、昔から
「有線より音が悪い」
と言われることが多いです。
理由として大きいのは、Bluetooth通信では音楽データを圧縮して送っているからです。
有線接続は大量のデータをそのまま送れますが、Bluetoothは通信帯域に制限があります。
そのため、以前のBluetoothオーディオは、
- 音がこもる
- 高音が荒れる
- 低音がぼやける
といった弱点がかなりありました。
と、いうものの最近のオーディオ専用機で今回使用したAstell&Kern AK HB1 でも利用できる「LDAC」は、一般的なBluetoothコーデックより高音質で、昔のBluetoothとはかなり印象が違いました。
実際、何も問題ないと思うくらい高音質です。
とはいえ、有線とまったく同じかと言われると、やはり差はあります。
特に、ボーカルの立体感や高音域の質感は、有線接続の方が有利だと感じました。
実際に比較して感じた差
実際にAstell&Kern AK HB1 のBluetooth接続(LDAC)とUSB有線接続を比較して感じた違いを書いていきます。
一番差を感じたのは“ボーカルの立体感”
今回一番違いを感じたのは、ボーカル表現でした。
有線接続の方が、
- ボーカルの輪郭がはっきりする
- 声が前に出る
- 息遣いが分かりやすい
という印象があります。
特に女性ボーカル曲では差が分かりやすく、有線接続の方が“そこに人がいる感覚”が強く感じられました。
Bluetooth接続(LDAC)でも十分きれいに鳴っていますが、比較すると少し平面的に感じます。
ただ、これは静かな環境で集中して聴き比べた場合の話です。
外出中や移動中だと、そこまで気にならない場面も多いと感じました。
低音は有線の方が締まりがある
低音にも違いがありました。
有線接続の方が、
- キックが硬い
- ベースラインが追いやすい
- 音の立ち上がりが速い
と感じます。
一方でBluetooth接続は、少し柔らかめの鳴り方になります。
とはいえ、低音がスカスカになるような感じはなく量感自体は変わりません。
LDAC接続はかなり優秀で、普通に聴いている分には十分満足できるレベルでした。
思ったより“差が小さい”とも感じた
正直、もっと大きな差があると思っていました。
ですが実際は、
「集中して比較すると違いはある」
というくらいで、Bluetoothでもかなり高音質です。
特に外出用途では、
- ケーブルの煩わしさが減る
- スマホを自由に操作できる
- 取り回しがかなり楽
というメリットが大きく、快適さは想像以上でした。
「音質を少し妥協してでもBluetoothを選ぶ」
というより、
「十分高音質だからBluetoothでも満足できる」
という感覚に近かったです。
完全ワイヤレスイヤホン(TWS)より音が良いと感じた
これは実際に使ってかなり印象が変わった部分です。
最初は、
「Bluetoothを使うなら完全ワイヤレスイヤホンでよくない?」
と思っていました。
ですが、Bluetooth DAC+有線イヤホンの組み合わせは、一般的なTWSより明らかに音が良いと感じます。
特に差を感じたのは、
- 音場の広さ
- ボーカルの自然さ
- 音の厚み
です。
ワイヤレスイヤホンはあの小さな本体にバッテリーやドライバーをすべて詰め込んでいるのに対して、専用機能を完全に分離させたBluetooth DAC+有線イヤホンでは音の完成度が違ってくるのは当然ではあるけど。
実際に感じているBluetooth DACのメリットとデメリット
音質だけで比較すると、やはり有線接続の方が有利です。
ただ、実際にBluetooth DACを使ってみると、“快適さ”のメリットがかなり大きいと感じました。
特に外出時は、有線接続とは使い勝手がかなり変わります。
メリット
スマホを自由に操作できる
一番便利だと感じたのはこれです。
USB DACをスマホに直接接続すると、
- ケーブルが邪魔になりやすい
- 持ち方がかなり制限される
- ポケットに入れづらい
といった不便さがあります。
一方、Bluetooth DACならDAC本体をポケットに入れておけるので、スマホを自由に操作できます。
移動中はこの差がかなり大きく、想像以上に快適でした。
有線イヤホンをワイヤレス化できるのが面白い
これはBluetooth DACならではの魅力だと思います。
もちろん完全なワイヤレスではありませんが、スマホとケーブル接続しなくていいだけでもかなり快適です。
音質と利便性のバランス”がかなり良い
以前は、
「音質を求めるなら有線一択」
と思っていました。
ですが実際に使ってみると、Bluetooth DACは
“音質を大きく犠牲にせず、利便性をかなり上げられる”
製品だと感じました。
特にLDAC対応機なら、外出用途では十分満足できる音質です。
「家では有線、外ではBluetooth DAC」
という使い分けは、かなりアリだと思います。
デメリット
音質はやはり有線の方が上
一番大きいのはここです。
LDAC対応Bluetooth DACはかなり高音質ですが、それでも有線接続の方が情報量は多く感じます。
特に差を感じやすかったのは、
- ボーカルの立体感
- 音の分離感
- 低音の締まり
- 空気感
あたりです。
普通に聴くだけならBluetoothでも十分高音質ですが、静かな環境で集中して聴き比べると、有線の方が一段上だと感じました。
接続が不安定になることがある
これはBluetooth機器全般に言える部分です。
環境によっては、
- 一瞬音が途切れる
- ノイズが入る
- 接続が不安定になる
ことがあります。
特に人が多い場所や電車内では、たまに気になる場面がありました。
有線接続の“挿せば確実に動く安心感”はやはり強いです。
結局“完全ワイヤレス”ではない
Bluetooth DACは便利ですが、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)のような気軽さには届きません。
DAC本体とイヤホン・ヘッドホンはケーブル接続になるので、
- ケーブル自体は残る
- 本体を持ち歩く必要がある
- ポケット周りは多少かさばる
という部分はあります。
特に「とにかく身軽さ重視」の人は、TWSの方が合っていると思います。
まとめ
LDACを含むBluetoothオーディオは、以前のような「有線に劣るもの」という印象から大きく進化している。Astell&Kern AK HB1 のような機器を使えば、日常的なリスニングでは十分に満足できるレベルの音質になっていると感じました。
ただし、こだわって有線接続と比べると確かに違いは残っていて、特にボーカルの立体感や音の密度、低音の締まりといった純粋な音質重視であれば有線に分があるかなと思います。
とはいえ、どちらが上かという単純な話ではなく、環境や用途で選ぶのが現実的ですね。
自宅でゆっくりしているときやカフェでくつろいでいるときはBluetoothや有線でじっくり音楽を聴くのが向いているし、一方で電車やバスなどの騒音環境では、ノイズキャンセリングが使えるワイヤレスイヤホンのほうが実用的で、騒音が多い環境では音質差よりも「しっかり聴こえること」のほうが重要になるかと思います。その考えの人も多いはず。
さらに運動時や移動中なども当たり前ですがTWSのほうが取り回しが良く、快適に使えます。
そのため結論としては、
・自宅やカフェではBluetoothまたは有線
・騒音下ではノイズキャンセリングTWS
・運動や移動ではTWS
という使い分けが最も現実的で、満足度も高い選択になると思いました。


